聞き上手になるには?スナックと営業で使える5つの聞き方

「聞き上手になりたい」と思うと、相づちや質問の数を増やそうとしがちです。

でも、スナックに25年通い、営業の仕事を10年以上続けてきて感じるのは、聞き上手は「たくさん反応する人」ではなく、「相手が話しやすい状態を作れる人」だということです。

難しいテクニックは必要ありません。まずは次の5つだけ意識すると、会話はかなり変わります。

1. 相手が話し終わる前に、自分の答えを作らない

相手が話している途中で「自分ならこうする」「それ知っている」と考え始めると、聞いているようで次に自分が話す準備をしている状態になります。

まずは話を最後まで聞きます。途中で似た経験を思い出しても、すぐ自分の話に切り替えません。

たとえば相手が「最近、仕事が忙しくて」と話したときに、すぐ「自分も先月忙しくて」と返すより、「かなり続いているんですか?」と相手の話をもう一段聞く方が、会話は自然に続きます。

2. 次の質問を考えるより、相手の最後の言葉を拾う

会話を続けようとして質問を次々に考えると、面接のようになりやすくなります。

使いやすいのは、相手が今言った言葉を一つ拾う方法です。

  • 「最近、部署が変わったんです」→「部署が変わったんですね。雰囲気もかなり変わりました?」
  • 「久しぶりに旅行へ行きました」→「久しぶりだったんですね。どこが一番よかったですか?」
  • 「今日はちょっと疲れていて」→「今日は疲れているんですね。忙しかったですか?」

新しい話題を無理に作らなくても、相手の言葉の中に次の会話の材料があります。

3. 質問は一度に一つにする

興味を持つほど、「いつから?」「誰と?」「どうして?」とまとめて聞きたくなります。

ただ、質問を重ねすぎると相手は「答える側」になり、会話というより事情聴取に近くなります。

一つ聞いたら、その答えを受けてから次へ進む。これだけで圧迫感が減ります。

スナックでも営業でも、話が続く人ほど質問数が多いとは限りません。一つの答えをちゃんと受け取っている人の方が、結果的に深い話になりやすいと感じます。

4. 大事な部分は、短く要約して確認する

相手の話が長くなったときは、分かったつもりで次へ進まず、短く確認すると認識のズレを減らせます。

  • 「つまり、金額より手間が増えることの方が気になっているんですね」
  • 「一番困っているのは、時間が読めないことですか?」
  • 「今すぐ決めたいというより、まず選択肢を知りたいということですね」

営業では特に、この確認を入れるだけで相手の本当の関心を取り違えにくくなります。

ただし、相手の気持ちを断定するのではなく、「〜ということですか?」と確認する形にするのが安全です。

5. 沈黙をすぐ埋めない

質問のあとに相手が黙ると、不安になって別の話を足したくなります。

でも、考えているだけの沈黙もあります。そこで話を重ねると、相手が答えを整理する時間を奪ってしまいます。

数秒待ってみて、それでも返事が出ない場合に「答えにくければ大丈夫です」「別の聞き方をしますね」と切り替えれば十分です。

営業での沈黙の使い方は沈黙が営業を変える「間の取り方」で詳しくまとめています。

聞き上手がやらない方がいい3つのこと

すぐにアドバイスする

相手が悩みを話していても、必ずしも解決策を求めているとは限りません。まず「どうしたいと思っていますか?」と確認すると、助言が必要かどうか分かりやすくなります。

「分かる」で自分の話に切り替える

共感のつもりでも、「分かる。自分もね」と自分の話が長くなると、相手の話は途中で終わってしまいます。自分の経験を話すなら短くし、相手へ戻します。

相手の反応を決めつける

表情や声の変化は参考になりますが、「怒っている」「興味がない」と断定はできません。気になったときは「ここ、気になりますか?」のように確認します。

表情や声の変化を見る考え方は言葉にしないコミュニケーションも参考になります。

スナックで会話するときは「面白い話」より聞き方が役立つ

初めてスナックへ行くと、「何か話題を用意しないと」と考える人もいます。

実際には、自分が話し続ける必要はありません。ママや他のお客の話を聞き、気になった言葉を一つ拾って返すだけでも会話は成立します。

初対面で何を話せばよいか不安なら、初対面でも会話を続けるコツに、会話の始め方から整理しています。

営業で使うなら「質問」より「確認」を増やす

営業では、ニーズを聞こうとして質問ばかりになることがあります。

私自身、質問を増やすより、相手が話したことを短く確認する方が、相手との認識を合わせやすいと感じています。

聞く → 一つ確認する → 相手が修正する → さらに聞く。この繰り返しなら、こちらの思い込みで話を進めにくくなります。

まとめ

聞き上手になるために、特別な話術は必要ありません。

  1. 相手が話し終わるまで待つ
  2. 相手の最後の言葉を拾う
  3. 質問は一度に一つ
  4. 大事な部分を短く要約して確認する
  5. 沈黙をすぐ埋めない

この5つを意識するだけでも、相手が話しやすい時間は作れます。聞くことは「何もしていない時間」ではなく、相手の話を急がず受け取る行動です。